これは2020年4月某日の新型コロナウイルス国内新規感染者数の都道府県別状況です。
2022年2月現在と比較して、感染者数だけ見れば20分の1以下の水準ですが、緊急事態宣言発出前夜の雰囲気が見て取れます。
私も、ささやかながら新型コロナウイルス感染症の入院患者を診療しています。
やれECMOだの、やれ人工呼吸だのといった高度医療は私の今の環境ではできませんが、重症化の危険因子を持つ患者さんを軽症からの段階で治療しています。
幸いなことに、最近担当した患者さんは、みなさんお元気になって帰っていかれますす。
デルタ株のときもそうでしたが、オミクロン株ではとくにそうした傾向が顕著です。
とはいえ、80代、90代の高齢患者さんは、宿泊療養や自宅療養への移行は極力行わず、厚生労働省の隔離解除基準を満たしてから、換言すればウイルス拡散の可能性も病状再増悪のリスクもできる限り抑えてから退院して頂くようにしています。
そして、みなさん一様に気にされるのは、
「新型コロナウイルス感染症にかかったあとは、ワクチンってどうすればいいんですか?」
ということです。
3回目ワクチン接種が本格化しようとしている折も折。
すでに3回目の接種券が手元に届いた、という方も少なからずおられます。
厚生労働省が新型コロナワクチンQ&Aのホームページを運営しています。
この中に、「新型コロナウイルスに感染したことのある人は、ワクチンを接種することはできますか。」という項がある。
新型コロナウイルスに感染したことのある人は、ワクチンを接種することはできますか。|新型コロナワクチンQ&A|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
要点だけ抜き出すと、
・新型コロナウイルスに感染したことのある人も、ワクチン接種できる
・自然感染よりも、ワクチン接種の方が血中抗体化が高くなる
・抗体療法(ロナプリーブもしくはゼビュディの点滴)を受けた方は、治療を受けてから90日間以上空けてからワクチン接種する
といったところでしょうか。
新型コロナワクチンの予診票には、「最近1ヶ月間に熱が出たり、病気にかかったりしましたか?」という質問があります。
基本的に、熱が出たり、病気にかかったりしたら、回復してから1ヶ月は空けましょうという考え方に基づいていると言っていいと思います。
実際のところ、管轄の保健所や県庁に問い合わせたところ、抗体療法(ロナプリーブもしくはゼビュディの点滴)をしなかった方では新型コロナウイルス感染症の治療終了から30日間経過してから、抗体療法(ロナプリーブもしくはゼビュディの点滴)をした方ではその日から90日経過してからはワクチン接種可能、という回答でした。
抗体療法(ロナプリーブもしくはゼビュディの点滴)をしたかしなかったかで、ワクチン接種可能となるまでの期間に60日間の開きができます。
新型コロナウイルス感染症の治療に携わる医療関係者は、知っておくべきでしょう。