KRAS G12C変異を有する進行非小細胞肺がんに対して有効とされるソトラシブ、2022年1月20日付で、我が国における製造販売承認を取得したようです。
LC-SCRUMのデータでは、KRAS遺伝子変異は参加登録者の14%に認められ、そのうち30%がG12C変異だったとのことですから、日本人ではざっと3-4%程度がソトラシブの治療対象になりそうです。
ALK融合遺伝子と同程度の割合です。
アムジェン、KRAS G12C変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌の治療薬として、ルマケラス®の製造販売承認を日本で取得 (amgen.co.jp)
数か月の間には薬価収載の手続きが終わり、実臨床で使用可能になると思われます。
治療対象は、既に標準治療を終えた後のKRAS G12C遺伝子変異陽性進行・再発非小細胞肺がん、ということになりそうです。
Microsoft Word - 【LUMAKRAS】インタビューフォーム_220120承認版 (amgen.co.jp)
コンパニオン診断は、以下から参照する限り、
・therascreen KRAS 変異検出キット RGQ「キアゲン」
・Guardant360 CDx がん遺伝⼦パネル
が該当するようです。
前者はいわゆるPCR検査による検出法で、後者は血液検体を用いたがん遺伝子プロファイリングに該当します。後者がコンパニオン診断として承認されるのは、ソトラシブが我が国初の事例ではないでしょうか。
ソトラシブの薬事承認もさることながら、日常的にがん組織採取に難渋している肺がん領域において、血液検体によるがん遺伝子プロファイリングがコンパニオン診断として承認されることも、画期的な出来事だと思います。