最近、いろいろあって疲れました。
ここでちょっと吐き出して頭をリフレッシュします。
・50代女性
健康診断で胸部異常陰影を指摘されたとのことで受診されました。
CTを撮影して精査したところ、小さいものの画像所見から明らかに原発性肺腺がんです。
外科切除が望ましいですね、と説明したところ、独身で郷里を離れて過ごしているので、このまま手術を受けるのは心もとない、親族に頼れる郷里の病院で手術を受けたい、とのことでした。
ご実家近くの病院(といってもご実家の隣の市にある病院だそうですが)に紹介して、最近手術を受けたそうです。
・90代女性
約1年前、圧迫骨折で入院していた際の胸部レントゲンで異常を指摘され、私に相談がありました。
肺門部肺がん疑いで、CTでも相応の所見がありました。
既に縦隔浸潤の所見があり、ご家族に相談したところ、本人には細かく説明せずに経過を見てほしいと希望され、相談元の先生にそのまま経過観察していただきました。
最近になって血痰が出始めた、とのことで再度相談があり、再検査したところ、原発巣は増大、新たに右胸水が出現していました。
入院していただき、胸水穿刺をして、原発性肺腺がんによる悪性胸水貯留、というところまでは診断がつきました。
Amoy-PCRに提出して遺伝子検索をして、ドライバー遺伝子異常があれば薬物療法も可能だし、なければ胸水コントロールをして経過観察継続、と考えていたら、深夜にトイレに行こうとして病室内で転倒し、大腿骨頸部骨折を受傷されました。
さて、整形外科の先生は未治療進行肺がん、まだコントロールできていない悪性胸水貯留の超高齢患者さんに対して手術をしてくださるかどうか・・・。
・70代男性
脳動脈瘤クリッピング術後、多発脳梗塞後遺症が背景にあり、要介護4状態のEGFR遺伝子変異陽性原発性肺腺がんの患者さん。
確定診断時点ではstage IIBの状態だったのですが、PS 3-4の状態で、病状理解も難しく、ご家族と相談の結果オシメルチニブ単剤療法の方針となっていました。
しかし、嘔吐や心電図異常(QT延長)のため継続できず、現在は無治療経過観察中です。
時間とともに病巣は増大傾向にありますが、いまのところそれ以上の進展はありません。
昨年末から総胆管結石、CoVIDとその後の味覚障害、倦怠感のため低栄養状態に陥り、いまは経鼻経管栄養でほぼ終日臥床状態です。
・80代男性
未治療髄膜種、それにともなう嚥下障害、反復性誤嚥性肺炎の患者さんで、経鼻経管栄養をしても胃瘻栄養をしても誤嚥性肺炎が是正できず、やむを得ず長期点滴管理をしていました。先日から急激に血圧低下と頻発するけいれん発作に見舞われ、お亡くなりになりました。
・20代男性
夕食摂取後に突然呼吸困難感におそわれ改善しないとのことで、当直勤務中に受診されました。
明らかに過換気症候群様の診察所見で、発熱なく、CoVID抗原検査陰性、インフルエンザ抗原検査陰性です。
内服薬を処方して帰宅していただこうとしましたが、どうも不安なので入院したいとのことで、一般病棟の個室に入院していただきました。
未明から37度台後半の発熱を認め、夜が明けてからCoVID-PCR検査をしたら、陽性でした・・・。
自宅療養していただくことにしました。
・80代男性
発熱していることを訪問看護師に伝えたところ、水分をしっかりとってくださいねとアドバイスを受け、一所懸命水分を摂取していたそうです。
当直勤務中に急性呼吸不全でもだえ苦しんでいるとのことで救急車で搬送されてきました。
顔面を含めた全身浮腫を伴う急性呼吸不全で、明らかに急性心不全の所見です。
緊急入院としたのですが、酸素吸入用具は自分で外してしまうし、心電図モニターはぐるぐる巻きにしてしまい役に立たないし、どうにもこうにも治療ができません。
やむを得ず利尿薬を筋肉注射、医療用麻薬を皮下注射して経過を見ました。
その後緩やかに心不全が改善し、やれやれと思っていたら、数日後に下血しました。
緊急胃カメラをしたところ、立派な多発胃潰瘍があり、ヘリコバクターピロリ感染陽性でした。
生検結果からがん細胞が出てこないことを祈るばかりです。
そんな中、今日は一般病棟で新規の高齢CoVID患者さんが発生し、どんなに隔離が必要だと説明して制止しても自室から出てこようとするわ、同室の濃厚接触者の他の患者さんもそれに追随するわで、週末返上で散々な目に合いました。
いまはまだ、CoVIDと診断しても患者さんを移動できるようにCoVID専用病棟を確保しているから何とか回っていますが、CoVIDが5類に細分類されて隔離病室が準備できなくなったらどうなるのか、空恐ろしい気がします。
5類細分類自体には賛成なのですが、なにか相応の病床確保対策を考えておかないと、季節性インフルエンザとは異なり通年で悩まされますので、たちが悪いです。