重粒子線治療施設サガハイマット

昨日大分大学病院に行った際、担当していた患者さんの件で現在の主治医から報告がありました。

「Cancer Boardで相談したのですが、通常照射が既に行われている患者さんは、定位照射でも重粒子線でも、追加照射は無理ですと言われました。」

もともと合併症が多く、IB期の扁平上皮癌ながら初期治療が通常の放射線照射となった方で、治療終了後約1年間で再燃してしまいました。

根治を目指すうえでの局所療法は手術、放射線ともに追加不可能で(初期治療の段階でも、複数の施設に相談しましたが手術も定位照射も断られてしまいました)、患者さんから重粒子線の追加は出来ないかとのことで相談を受けていたところでした。

これまで、九州で粒子線治療といえば、鹿児島のメディポリス財団が運営している陽子線施設がありました。

以下に、そのがん粒子線治療研究センターへのリンクを記します。

http://www.medipolis.org/

しかし、鹿児島のほぼ南端、指宿に位置するこの施設は、九州一円在住の患者が赴くにはやや地理的に難があります。

いかに九州新幹線が開通したとはいえ、如何ともしがたいところです。

2013年5月、もう間もなくですが、佐賀県鳥栖に「九州国際重粒子線がん治療センター」通称サガハイマットが開業します。

鳥栖と言えばまさに九州のへそ、交通の要衝であり、九州のどこからでもアクセスの良い位置にあります。

http://www.saga-himat.jp/index.php

国内で重粒子線が臨床応用されるようになって約20年、九州でも更なる発展を遂げてほしいところです。