先日、当院1例目の気管支鏡をしました、という報告をしました。
しかし、事前に予想していた気管支からのアプローチでは病巣に到達できず、思ったより長い時間がかかりました。
反省をこめて、当院のCTデータを用いてBF-Naviの画像を再構成し、復習してみました。
気管支は、先へ行くほど分岐、分岐を繰り返し、最終的には23回分岐するといわれています。
そうすると、目標とする病巣に到達するまでの分かれ道は、理論上は少なくとも2の23乗、すなわち8,388,608通りとなります。
そこで、自動車のナビゲーションシステムさながらに、検査でたどり着きたい病巣を入力すると、そこに至る気管支の道筋を示してくれる気管支ナビゲーションシステムというものがあります。
中でも、国内で初めて実用可能となったのがBF-Naviです。
その作成の過程をちょっとご覧に入れます。
BF-Naviのワークステーションに胸部画像CDを入れ、BF-Naviを立ち上げて必要な操作をすると、以下のような画面になります。
ここで気管上部をナビゲーション出発部位としてワークステーションに登録します。
すると、自動抽出可能だった気管支が青く示されます。
この青い気管支を足がかりとして、3つの断面像を見ながら最も病巣に近い気管支を捜していきます。
狙う気管支が定まったら、その位置を入力して、ワークステーションに気管支を再構成してもらいます。
下段は、狙うべき気管支が定まった段階で、うまく行けば狙う腫瘍の直前まで気管支鏡が進みます。
今回出来上がったのが以下の道筋。
というわけで、無事病巣近くにたどり着きました。
事前に経路のイメージが頭の中にあると、検査が容易です。
今後、時間的余裕があれば、できるだけルーチンワークとしてBF-Naviで関与気管支を同定し、経気管支肺生検にのぞむつもりです。