シスメックス・京大 Nivolumab効果予測の臨床試験を計画

 今朝の日経新聞を読んでいたら、表紙に標題の記事が載っていた。

 シスメックスという会社、顕微鏡で細菌や細胞を見る際の染色液を扱うメーカーで、以前からお世話になっている。

 記事を見る限り、血液検体でNivolumabの効果予測を試みているようで、診療上のメリットは大きい。

 

 ちなみに、記事中に「測定する医師の力量で判定が左右される」というくだりがあるが、それは誤解だと思う。

 免疫染色の評価というのは、そもそも個人差があって当たり前だ。

オプジーボ 効果予測 シスメックス・京大 年内に臨床研究 医療費を抑制」

 血液検査機器世界最大手シスメックスは「オプジーボ」など免疫の働きを高めるタイプのがん治療役が効くかどうか、事前に血液検査で予測する技術の臨床研究を近く始める方針だ。京都大学と共同で、3−4年内の実用化を目指す。オプジーボは高額なうえ効果が出る人が末期患者の2−3割に限られる。実用化されれば不必要な投与を避けられ、医療費抑制につながる可能性がある。

 小野薬品工業ブリストル・マイヤーズ・スクイブ(BMS)が開発したオプジーボは免疫細胞の働きを抑えるたんぱく質が機能しないように働きかけ、がん細胞への攻撃を促す仕組み。シスメックスと京大の本庶佑名誉教授らのグループはがん患者の血液に溶け込んでいる物質の種類や量を解析すれば薬の効果がどの程度表れるか予測できることを突き止めた。京大から提供された患者の血液検体を使い、シスメックスが解析を担う。2017年中にも実際の患者を対象とした臨床研究を始める方針。オプジーボ以外の薬でも実用化を目指す。

 従来は体の中からがん細胞を取りさす「生検」で分析していたが、患者の負担が重い上測定する医師の力量で判定が左右される問題もあった。新技術は客観的な数値で判断できるため、的確に予測できると見込む。オプジーボは末期がん患者に劇的な治療効果が見込めるとし手急速に普及が進んでいる。ただ、薬価が高く、医療財政を圧迫するとの声は多い。2月に本来の改定時期を待たずに薬価が半分に引き下げられたが、体重60kgの患者が仮に1年間使い続けた場合、約1750万円かかるとされる。効果が出ないまま投与を続けるケースもあり、投与効果の予測や、投与をやめる時期を見極める手法の確率が求められている。