ロシアにおけるEGFR遺伝子変異

 2017年米国臨床腫瘍学会総会の抄録集を眺めていたら、ロシアにおけるEGFR遺伝子変異の大規模調査に関する報告があった。  ロシアからの報告って、そういえばあまり目にしたことがない。  要点をまとめておく。 ・ロシアでは、非小細胞肺癌のうち扁平上皮癌が60−70%を占める ・そのため、EGFR遺伝子変異検査自体があまり一般的ではない ・2012年から2017年にロシアでEGFR遺伝子変異検査を実施した非小細胞肺癌患者21,039人を対象とした ・結果が得られたのは20,768人(98.7%)だった ・腺癌患者17,717人におけるEGFR遺伝子変異検出割合は20.1%で、Exon 19が12.4%、Exon 21が7.7%だった ・患者年齢別に見ると、Exon 19の検出割合は各年齢層でほぼ一定だったが、Exon 21は高年齢化とともに検出割合が高まっていた ・性別ごとに見ると、男性で9.0%、女性で36.6%と、圧倒的に女性に多かった ・喫煙歴でみると、喫煙者で8.4%、非喫煙者で31.4%と、明らかに非喫煙者で変異陽性者が多かった ・扁平上皮癌1,139人に対する調査では、陽性割合は男性1.7%、女性13.2%だった ・喫煙歴でみると、喫煙者では1.5%、非喫煙者で7.9%