膵臓癌術後再発で、入院緩和医療をしていた患者さんが、先ほど旅立たれた。
次女さんと仲のいいご友人に見守られて、逝った。
血液検査以上をきっかけに発見し、手術ができたものの局所進行度が高く、手術から3年8カ月で亡くなられた。
がん性腹膜炎のため消化管通過障害を来し、肺癌ではあまり見られないような、呼吸困難とはまた違った辛さだった。
生前から、
「自分の最期は、先生に看取ってほしい」
「死んだあとは、白菊会に献体をしたい」
と常々おっしゃっていた。
各大学の医学部に設置されている白菊会。
善意のもとに、自分の遺体を解剖実習に役立ててほしいという方が登録される。
白菊会に登録している、という患者さんには幾人もお目にかかったが、実際に自分の患者さんが亡くなって、白菊会に引き取っていただくのは、今回が初めてだ。
ご遺体の移送は時間外となってしまったため、ご遺体の引き取りに来られたのは、時間外の事務手続きを委託されている業者さんと、ご遺体の搬送を委託されている葬儀社の方。
こんなことまでアウトソーシングなのね。
患者さんはクリスチャンで、ご遺体が移送される直前に、牧師さんが病室までお祈りを捧げに来てくださった。
牧師さん、ありがとうございました。