2019年 日本臨床腫瘍学会での口演発表内容からの備忘録
PD-1抗体使用後のドセタキセル+ラムシルマブ併用療法の効果が増強する、という話は面白い気がします。
高額医療を理由に、ドセタキセル+ラムシルマブ併用療法を採用していない病院では応用できないかもしれませんが。
〇 M02-18-1:進行非小細胞肺がんに対するPD-1阻害薬投与後の化学療法の有効性や安全性を検討する後方視的多施設研究(WJOG10217L)
・CAP群:
一次:化学療法→病勢進行→二次:PD-1阻害薬→病勢進行→三次:化学療法
・コントロール群:
一次:化学療法→病勢進行→二次:化学療法
・CAP群の三次化学療法、コントロール群の二次化学療法を比較する
・主要評価項目は奏効割合
・副次評価項目は無増悪生存期間、全生存期間
・奏効割合は、CAP群で18.9%、コントロール群で11.0%
・無増悪生存期間はハザード比0.95、p=0.55で有意差なし
・全生存期間はハザード比1.05、p=0.63でやはり有意差なし
生存期間中央値はCAP群で9.2ヶ月、コントロール群で10.4ヶ月
〇 M02-18-2:進行非小細胞肺がんに対するPD-1阻害薬投与後のドセタキセル+ラムシルマブ併用療法の有効性や安全性を検討
・CAP群:18人
一次:化学療法→病勢進行→二次:PD-1阻害薬→病勢進行→三次:ドセタキセル+ラムシルマブ
・コントロール群:21人
一次:化学療法→病勢進行→二次:ドセタキセル+ラムシルマブ
・奏効割合はCAP群38.9%、コントロール群19.0%、p=0.29で有意差なし
・病勢コントロール割合はCAP群83.3%、コントロール群57.1%、p=0.096で有意差なし
・無増悪生存期間中央値はCAP群5.7ヶ月、コントロール群2.3ヶ月、p=0.020で有意差あり
・生存期間中央値はCAP群13.8ヶ月、コントロール群10.5ヶ月、p=0.065で有意差なし
・1年生存割合はCAP群63.6%、コントロール群33.0%
〇 M02-18-4:高齢者に対するペンブロリズマブ単剤療法の実際
・高齢者を75歳以上と定義
・患者数47人
・男性40人、女性7人
・年齢中央値は79歳
・腺がん17人、扁平上皮がん23人、その他の組織型7人→かなり偏りがある
・完全奏効2人、部分奏効23人→奏効割合53.1%
・病勢安定10人→完全奏効、部分奏効と合わせて、病勢コントロール割合74.4%
・病勢進行8人
・病勢コントロール割合は、PS0-1の患者で86.5%、PS2-3の患者で30%、p=0.03で有意差+
・無増悪生存期間中央値:7ヶ月(5.4-10.6ヶ月)
・生存期間中央値:発表時点で未到達