以下の記事で取り上げたDWIBS-MRI、入院中の肺がん患者さんの同意を得て行ってみました。
oitahaiganpractice.hatenablog.com
2人とも骨折後のリハビリ目的で入院して来られ、EGFR遺伝子変異陽性の原発性肺腺がん患者さんという点が一致していました。
結論から言うと、「FDG-PET検査に代わる存在には、現時点ではならない」という印象でした。
以下に「よかった点」と「わるかった点」を挙げてみます。
〇よかった点
・放射線暴露がない
・薬を使わない
・安い
〇わるかった点
・想像していたよりも画質が悪い
・既知のがん病巣をあまりきちんと描出できていない
・時間がかかる
・白黒でしか画像出力できない
実際にオーダーしてみると、放射線技師さんにとっても撮影は大事で、1時間以上を費やして撮影していたようです。
患者さんもくたびれてしまいます。
FDG-PETでは全身を一連の画像として描出できますが、今回行ったDWIBS-MRIでは体幹部を上・中・下の1/3ずつ撮影してつなぎ合わせるような体裁をとりましたので、どうしても画像にぎこちなさがあります。
画像所見の解釈には注意が必要で、FDG-PETのCTとの融合画像なら異常部位がカラーで示されますが、DWIBS-MRIでは融合画像が作れず、DWIBS画像とSTIR画像、その他の条件で撮影した画像を行ったり来たりしながら所見を探します。
CTに比べると不明瞭な画質だったため、自信をもって所見をつけることができませんでした。
たまたま導入当初でまだこなれてないせいかもしれませんが、実用的な水準に達するにはもう少し洗練する必要がありそうです。