TNM病期分類第8版の要約

 肺癌取り扱い規約第8版から、肺がん診療上もっとも影響が大きい病期分類について触れる。

 前回、第6版から第7版に改訂されたときも困ったが、今回の第8版ではさらにややこしくなった。

 どうややこしくなったか。

・大前提として、スライス厚2mm以下の高分解能CTを撮影しないと病期分類できない

・主病巣のスリガラス成分と充実性成分を別々に測定し、記録する

・原則として、充実成分径を腫瘍径として取り扱う

・腫瘍径1cm、2cm、3cm、4cm、5cm、7cmを境としてT因子を分類する

・微小浸潤性腺癌の概念が持ち込まれ、T1miと称する

・気管分岐部に及ばない主気管支浸潤は全てT2

・無気肺・閉塞性肺炎はT2

・横隔膜浸潤はT4

・胸郭内転移をM1a、他臓器単発転移をM1b、他臓器多発転移をM1cと細分化

 どうにかして手帳に貼るなり、電子カルテシステムに組み込むなりしないと、細かいところまで覚えこなさない。

 分類上の原則に変更はないので、内科医が治療を選択する際には大きな影響はなさそうだが。