患者さんの情報収集能力というのは本当に恐るべきもので、キートルーダやPD-L1抗体検査が使用可能になったばかりの2017年2月15日、早速患者さんから問い合わせが来た。
「うそでしょ!」
という感じ。
もっとも、患者さんやご家族にとってみれば、
「いつやるの?・・・今でしょ!」
ということなのだろう。
PD-L1が陽性なのかどうか、キートルーダが使えるのかどうか、早く調べて欲しいという。
相談を受けて動き出したのが夕方だったので、検査会社への問い合わせが間に合わなかった。
2月16日の朝っぱらから電話で問い合わせたところ、
・2月15日から検査受託を開始した
・キートルーダの適応判定のための22C3抗体、オプジーボの効果予測のための28-8抗体の両方が使用可能
・それぞれの抗体を用いた検査に、各25000円の実費がかかるが、健康保険が利用できる
・技術的には両方を同時に調べることも可能だが、両方同時に調べたときに保険請求ができるのかどうかは現時点で定かではない
・組織ブロックか薄切標本を送ってもらえれば調べる
との回答だった。
患者さんのご家族に問い合わせたところ、即答で両方の抗体について調べて欲しいとのことだった。
網羅的に解析してもドライバー遺伝子変異が一切見つからなかったので、患者さん・ご家族も私も必死である。
ソッコーで検査提出した。
もしかしたら、大分県下で一番乗りの提出だったかもしれない。
今後は、進行期非小細胞肺癌の患者では、PD-L1発現状態の確認は必須となるだろう。
もはや、GS越しのちっちゃな組織では全く対応できない。
策を講じる必要がある。