JCOG0707・・・日本人完全切除後リンパ節転移陰性非小細胞肺がんにはやっぱりUFT

 リンパ節転移陰性完全切除後非小細胞肺がん患者に対する術後補助化学療法。  我が国が完全にガラパゴス化した領域ではあるが、それだけに誇らしい面もある。  結局、TS-1がUFTを凌駕することはもはやないといってよさそうだが、もっと意義深い知見が本試験からは得られている。 ・術後補助化学療法としてUFTを使用すれば、日本人のリンパ節転移陰性完全切除後非小細胞肺がん患者における5年生存割合はほぼ90% ・経過観察中に、二次がんが発生する割合は17.8%  この治療成績はおそらく世界最高で、声高に世界に向かって叫ぶべきことだと思う。  また、二次がんがこれだけ見られる、という現象は(一部は実際には二次がんではなくて遠隔転移かもしれないが)、実地臨床で得られる感覚とも符合する。  最近、10年前に乳癌、5年前に大腸癌を手術した患者の肺に、40mm大の細長い腫瘤影が見つかった、とのことで相談を受けた。  経気管支肺生検を行ったところ、浸潤型粘液産生性腺癌と診断がつき、年明けに全身精査を行って根治切除につなげたいと思っている。  こうした患者を経験すると、たとえ完全切除後の患者が5年生存したとしても、年に1回くらいはCTで経過観察した方がいいだろうと感じる。