肺がん周術期の薬物療法

 2019年日本臨床腫瘍学会、備忘録。

・EVAN試験:N1-N2の患者が対象で、N2は全体の64%

 

・ADJUVANT(CTONG1103試験) Lancet oncol. 2018, 139-148

・LACEのメタアナリシス J Clin Oncol 3552-, 2008

 ハザード比は0.89にとどまる

・ECOG1505:ASCO2015

 術後化学療法にベバシズマブを上乗せしたが、negative studyに終わった

・SELECT試験:Pennell et al., J Clin Oncol 2019, https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30444685

 stage IA-IIIAのEGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がん患者を対象に、根治切除をして、術後補助化学療法をして、さらにエルロチニブを登用する臨床試験

 単アームの第II相試験

 2年無病生存割合は88%

 5年無病生存割合は56%

 5年全生存割合は86%

 

・RADIANT試験:Kelly et al., J Clin Oncol 2015

 EGFR遺伝子変異陽性の患者が対象。

 無病生存期間は、エルロチニブ群で46.4ヶ月、プラセボ群で28.5ヶ月、ハザード比0.61(95%信頼区間0.38-0.98)

 66か月後の段階でも生存期間中央値には到達しておらず、5年生存割合は50%以上

 IALT試験でも、5年生存割合は50%程度だった

・CTONG1103試験

 EGFR遺伝子変異陽性、N1-N2、遠隔転移なしの患者が対象で、術後補助治療としてのゲフィチニブ群(G群)とシスプラチン+ビノレルビン併用化学療法(PV群)を比較する第III相試験。

 無病生存期間中央値はG群で28.7ヶ月、PV群で18.0ヶ月、ハザード比0.60、p=0.005だった。

 3年無病生存割合はG群27%、PV群で34%だった。

 全生存期間中央値は両群ともに未到達。

・EVAN試験:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30150014

 stage IIIのEGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がん患者を対象に、術後補助化学療法としてのシスプラチン+ビノレルビン併用療法とエルロチニブ単剤療法を比較する

・ADAURA試験

 IB-IIIA期のEGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がん患者根治切除例に対して、術後そのまま補助化学療法をせずにオシメルチニブを投与する群と、術後シスプラチン+ビノレルビン併用療法群を比較することになり、主要評価項目は無病生存期間だった。

・EMERGING試験: Wu et al.,J Clin Oncol 2019

 N2の遺伝子変異陽性の患者を対象に、術前術後にエルロチニブを服用する群(E群)とシスプラチン+ビノレルビン併用療法群(PV群)が設定された第II相試験。

 無病生存期間中央値はE群21.5ヶ月、PV群で11.9ヶ月、ハザード比0.42、p=0.003。

 術前治療時の奏効割合はE群54.1%、PV群34.3%。

 全生存期間は未到達。