・これまたドライバー遺伝子変異陽性だったろうと思われる患者さん

 

 こちらの方も、いかにもドライバー遺伝子変異が関わっていそうな患者さんです。

 女性、非喫煙者、非常に悪性度の高い進展様式。

 心嚢液や血液を用いた検索でも何か捕まえられたかもしれません。

 

 

 嫁いできて40年。

 イグサ農家は大変です。

 そもそも、畳を敷く家庭なんて減っちゃって・・・。

 同業者は随分と減ってしまいました。

 うちはまだ細々やってるけど、これからどうなることやら・・・。

 イグサの刈り取りは大変だし、畳表を編むのはさらに大変。

 息子の代でうちも廃業かもね。

 

 病気らしい病気と言えば、6年前に患った帯状疱疹くらい。

 夫が早めに見つけてくれたので、近所の皮膚科で点滴してもらって割と早く良くなりました。

 あとは10年前に、胃カメラでポリープをとったくらいかな。

 タバコは吸いません。

 お酒も飲みません。

 

 X年の11月ごろから咳が出始めて、近所の内科に行きました。

 レントゲン写真を撮ってもらって、一緒に見たときの先生の顔が忘れられません。

 深刻な顔をしてて、早く大きな病院に行って、って言われて。

 その日のうちに市内で一番大きな病院の呼吸器科に行きました。

 そこの先生も青い顔をして、「即入院!」って言われちゃいました。

 入院して最初にされたのは、左のおっぱいの下から管を入れる治療でした。

 心臓がドクドクいうところね。

 気持ちいいもんじゃないわね、あんなところを刺されるのって。

 でも、そこから血の色をした水を注射器10本分くらい抜いてもらったら、随分と体が楽になった気がしました。

 心臓の周りに水がたまってたんですって。

 あとはいろいろと写真を撮る検査をしてもらいましたね。

 

 担当の先生が、家族を呼んで話をしたいっておっしゃったので、私に全部正直に話してくださいってお願いしました。

 自分の体のことだからね、隠しごとはよしてほしい。

 お話の内容はびっくりすることばっかりだったけど、それでも聞いてよかったです。

・入院した日の検査で、肺がんだろうとほぼ目星がつきました

・右肺野中ほどに大きな腫瘍がありました

・両肺に数えきれないくらい転移していました

・心臓を包む膜の中にも転移していて、水が溜まって心臓を圧迫していて、予断を許さない状況でした

・肺を包む膜の中にも水が溜まっていました

・脳にも骨にも転移していました

・急いで処置しなければならないのは心臓の周りにたまる水だったので、緊急入院してもらって水抜きをしました

・肺がんと考えて間違いありません

・脳の病巣には、隣町の病院にお願いしてガンマナイフという特殊な放射線治療をしてもらいましょう

・それが終わったらここに帰ってきてもらって、抗がん薬治療をしてみましょう

って言われました。

 

 2泊3日でガンマナイフ治療を受けて、帰って来たらまた心臓の周りに水が溜まってるって言われました。

 気持ちいいもんじゃないけど、もう一回心臓のところに針を刺されて、管を通されて、今度はしばらく管を入れたままでした。

 管を入れた翌日までに、1.5Lのペットボトル1本分の水が抜けたんですって。

 その翌日に管から薬を入れて、そのあとは水が出てこなくなって、だいたい10日くらいで管を抜いてもらいました。

 そのあとは抗がん薬の点滴を1ヶ月に1回、都合2回ほどしてもらったんだけど、1回目はよく効いて、2回目のあとはあんまり変わらなかったみたい。

 いったん退院して、体調を整えてから次の治療を考えるんだって。

 

 

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