アンコールセッション(SLCG0402とJ-ALEX)

第57回日本肺癌学会総会より

<アンコール・セッション>

ES-1:

<SLCG-0401試験>

・病理病期IB-IIIA期の完全切除後非小細胞肺癌患者を対象とした術後補助化学療法の第III相試験

・UFT群(U群)を標準治療群として、CBDCA+PTX療法群(C群)の優越性を検証する目的で開始した

・主要評価項目は全生存期間

・副次評価項目は無再発生存期間、毒性

・期待5年生存割合をU群45%、C群60%として、αエラーを0.05、βエラーを0.2とした

・各群200人を集積することにした

・2004年11月から2010年11月の間に、403人を集積した

・5年生存割合はU群で73%、C群で70%だった

・5年無再発生存割合はU群で57%、C群で56%だった

・stage IBの患者サブグループでの5年生存割合はU群で86%、C群で82%だった

・stage II-IIIの患者サブグループでの5年生存割合はU群で55%、C群で56%だった

・腺癌の患者サブグループでの5年生存割合はU群で70%、C群で73%だった

・非腺癌の患者サブグループでの5年生存割合はU群で76%、C群で65%だった

・今回の患者集団でのCBDCA+PTX術後補助化学療法は推奨できない

ES-2:

<J-ALEX試験>

・前治療歴のないIIIB/IV/術後再発ALK遺伝子再構成陽性非小細胞肺癌患者(IHCとFISHの両方で確認)を対象とし、アレクチニブ群(A群)とクリゾチニブ群(C群)に無作為割付する第III相試験

・主要評価項目は無増悪生存期間

・A群103人、B群104人

・無増悪生存期間中央値はA群で未到達(95%信頼区間は20.3ヶ月以上)、C群で10.2ヶ月(95%信頼区間は8.2-12.0ヶ月)、ハザード比0.34(95%信頼区間は0.17-0.71)、p<0.0001

・奏効割合はA群で85.4%、C群で70.2%

・ほぼ全てのサブグループ解析でA群が勝っていた

・中枢神経系の転移を有する患者サブグループではハザード比0.09、有さない患者サブグループではハザード比0.37