・抗体薬物複合体(ADC)の仕組み

 このところ、抗体薬物複合体の話題に触れることが多くなりました。

 HER2蛋白を見分けるトラスツズマブ・デルクステカン(T-DXd)然り。

 HER3蛋白を見分けるPatritumab deruxtecan(HER3-DXd)然り。

 TROP2蛋白を見分けるDatopotamab deruxtecan(Dato-DXd)然り。

 この種の薬の嚆矢として、急性骨髄性白血病に対するゲムツズマブ・オゾガマイシン(CD133タンパクを見分ける)や進行乳がんに対するトラスツズマブ・エムタンシン(HER2タンパクを見分ける)が挙げられます。

 どの薬をとっても、名称は「○○○マブ・×××」だったり、「○○○mab・×××」だったりです。

 ○○○マブや○○○mabががん細胞を見分けるための部分(緑色の部分、「モノクローナル抗体」)で、これをよりどころにして抗体薬物複合体が効率よくがん細胞に取り込まれます。

 取り込まれた後は、がん細胞内部の酵素によって「リンカー」部分が分解、切断され、「モノクローナル抗体」と「抗がん薬(ペイロード)」が切り離されます。

 「モノクローナル抗体」から切り離された「抗がん薬(ペイロード)」は、がん細胞内部で自由になったのち、効果を発揮します。

 こうしたシステムにより、抗体薬物複合体の抗がん作用はがん細胞内部で効率よく発揮され、高い効果を示すとともに副作用を軽減できているようです。

 加えて最近の抗体薬物複合体は、「モノクローナル抗体」1つあたりに「抗がん薬(ペイロード)」をいくつくっつけるか、というところまで細かく設計し、効果と副作用のバランスが最適になるように調整しているのだとか。

 T-DXdには8つ、HER3-DXdにも8つ、Dato-DXdには4つのデルクステカンがくっつけられているそうです。

 

 T-DXdはHER2遺伝子変異陽性肺がんに対して、DESTINY-Lung01試験で有効性が証明されています。

 

oitahaiganpractice.hatenablog.com

 

oitahaiganpractice.hatenablog.com

 

 HER3-DXdやDato-DXdでも有望な結果が示されるとよいですね。