・DWIBS法による全身MRI検査・・・FDG-PET検査に代わる存在となり得るか?

FDG-PET検査が普及して、肺がん患者さんの遠隔転移検索は随分とシンプルになりました。 FDG-PET検査以前は、胸腹部造影CT、頭部造影MRIもしくはCT、骨シンチグラフィーが必須検査で、検査枠の確保に苦労したものです。また、これだけ検査をしても胃腸の病変…

・外来診察中の小噺

悟りました。 ブログタイトルに沿った話をずっと続けるのは、私には無理なようです。 ときどき肺がんとは関係のない話題でつなぐことにしました。 褒められた話ではないのですが、私の外来診療は時間がかかります。 いつも知恵を絞って予約を組んでいるもの…

・巨大髄膜種と重症肺化膿症

世間はCoVID-19による行動制限なしの、久しぶりの大型連休初日です。 私はといえば、朝な夕なに入院担当患者さんがお亡くなりになり、哀しい連休初日になりました。 重症肺炎で人工呼吸管理中の超高齢患者さんを抱えているので、もとより今年の大型連休はな…

・「PRiME-R」と電子カルテ入力支援システム「CyberOncology」

以前、電子カルテ内に蓄積されたデータをリアルワールドデータ(RWD=実地診療データ)として利用するための仕組みのひとつとして、国立がん研究センター中央病院で「Double Jump」というシステムの開発が進んでいると書いたことがあります。 oitahaiganprac…

・NTRK融合遺伝子陽性肺がんに対するエヌトレクチニブ

NTRK融合遺伝子陽性がんに対するエヌトレクチニブについて、きちんとした記事を残していなかったことに最近気付きました。 備忘録として論文要約を書き残しておきます。 極めてまれな遺伝子異常ではありますが、見つかれば一発逆転もあり得ます。 Entrectini…

・直近1年間の振り返り・・・第62回日本呼吸器学会総会より

2022年、第62回日本呼吸器学会総会の内容を、暇を見つけてオンライン参加して閲覧していました。 腫瘍部会の年次集会において、この1年の出来事の振り返りと題した発表がありましたので、ざっと触れておきます。 ・ADAURA試験 IB-IIIA期のEGFR遺伝子変異陽性…

・NTRK融合遺伝子陽性固形がん(肺がんを含む)に対するラロトレクチニブ

2021年3月23日に製造販売承認、2021年05月19日に薬価収載、2021年07月07日に発売されたラロトレクチニブ。 対象疾患は「NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形癌」であり、肺がんを含む多彩ながんが治療対象です。 NTRK陽性肺がんにはまだお目にかかったこと…

・PD-L1発現が高いと、EGFR阻害薬の治療はやりにくい

最近はあまり耳にしなくなりましたが、以前よく用いられた言い回しで、 「オンコジーン・アディクション」 というものがありました。 敢えて日本語に訳すなら、 「がん遺伝子に対する中毒性」 とでもなるところでしょうか。 EGFRにせよALKにせよ、あるいはそ…

・受診先が消えるということ

新型コロナウイルス感染症流行の影響か、はたまた全く別の要因か、近隣医療機関の体制が目まぐるしく変わっています。 新型コロナウイルス感染症流行が始まったその年、近隣の緩和ケア病棟が閉鎖されたとき、記事を書きました。 oitahaiganpractice.hatenabl…

・肺がん内科治療の進歩・・・第119回日本内科学会総会・講演会より

今年の日本内科学会総会にオンライン参加し、表題の教育講演を聴講しました。 進行非小細胞肺がんについて、EGFR遺伝子変異陽性サブグループとドライバー遺伝子変異陰性サブグループの治療に関する考え方がコンパクトにまとめられていて、頭の中を整理するの…