・「PRiME-R」と電子カルテ入力支援システム「CyberOncology」

 

 以前、電子カルテ内に蓄積されたデータをリアルワールドデータ(RWD=実地診療データ)として利用するための仕組みのひとつとして、国立がん研究センター中央病院で「Double Jump」というシステムの開発が進んでいると書いたことがあります。

oitahaiganpractice.hatenablog.com

 

 なかなか強力なシステムでしたが、PwCという本来海外資本の監査法人が我が国の実臨床データを抽出するシステムを開発することに、なんとなく医療安全保障上の違和感というか、脅威というか、そんなものを漠然と感じました。

 一方、京都大学とNTTが共同で設立した「新医療リアルワールドデータ研究機構株式会社(PRiME-R)」では、既に我が国で普及している富士通NECIBM等の電子カルテプラットフォームから診療データを抽出・統合するための「CyberOncology」というシステムを構築し、RWDを医療統計や新規治療開発に活用することを、さらに言えばRWDを商材として利用することまで目指しているようです。

 きっと、こちらの記事に示した内容がその後NTTを巻き込む形で発展した、ということなのでしょうね。

oitahaiganpractice.hatenablog.com

 

京都大学におけるリアルワールドデータ事業の実施とあらたな産学連携モデルとしての新会社PRiME-R設立について日本におけるリアルワールドデータを活用する日本初の産学連携の取り組み | ニュースリリース | NTT (group.ntt)

 

 個人情報保護法への対応などまだ様々なハードルがありそうですが、同様のシステムがいずれ全ての電子カルテに標準装備され、オンラインで誰もがデータ参照できるようになるといいのですが。